また大倉さん

ツール&ストール(大倉崇裕著/双葉社)読了。

ツール&ストール

ツール&ストール

大倉さんが新人賞を受賞した作品とのこと、そういえば未読だったなあ、と思って、例によって図書館で調達(すみません…)。卒業間近の学生・白戸修くんを主人公にした短編集で、彼のお人好しの性格も災いしてか、次々と妙な事件に巻き込まれていってしまう、という連作。
面白いなあ、と思うところは、白戸くんはお人好しなだけで、特に名探偵振りを発揮するでもなく(もちろん彼の発想がきっかけで解決に至る事件もあるわけだけど)、腕っ節が強いわけでもなく、妙な特殊能力があるわけでもない、のほほんとした男なのに、事件はいろんな展開から解決していってしまうというところ。こういうミステリーは新しいわー。
ひとつだけネタバレに近いことを言うと、残高51円の通帳を前に途方に暮れる白戸くんの話、終わり方が超気になる!!彼は、一体どんな手段を使ったの…?!