マクロビオティック病…?

とこりさんとこの話題に反応。
こういう人、一定数いますね。マクロビオティック病というか、マクロビオティック教というか…根拠の薄弱な「こだわり」に盲従する人。
もし、スーパーカメリアで焼いたパンを二つに切り分けておいて、この人たちに「こっちは国産小麦、こっちはスーパーカメリアですよ」と別々に食べさせたら、絶対「やっぱり国産小麦のパンの方が風味があって美味しいわ〜」とか言うでしょうね(さすがにドライイーストは匂いで分かるだろうから…と、思いたい…)。賭けてもいいよ。

で、科学者の端くれとしては見逃せない話が多々あるので、「マクロビオティック病」へのツッコミをこまごま。

農薬と生産性

俺がここでうだうだ述べるより、NITE化学物質管理センターの坂口所長がお書きになったコラムを読んで頂くのが一番。ここに言いたいことが全部書かれてますので、リンク貼っておきます。さすが専門家や…。
http://www.safe.nite.go.jp/management/feedback/letter/5th/html/03.html
参考データはこちら(pdfファイルの2ページ目あたり)。
http://www.hokkochem.co.jp/kankyo/2003/015.pdf
まさかこの人たち、桃食ったりリンゴ食ったりしてませんよねえ?

有機と無農薬

有機・無農薬野菜を食べる人は、当然有機JAS認定された、特別栽培農産物ガイドラインに沿ったものを食べてるんでしょうねえ。有機JAS認定は取得がかなり大変みたいですが。
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/tokusai_a.html
…にしても、有機堆肥なんぞタダでさえ虫が湧きやすいのに、その上無農薬?商業レベルの生産量ではかなり無理があるか、値段がものすごく高くなるか、のどっちかじゃね?
#必要最低限に抑える「省農薬」までは否定してません。それならあり得る。

もう一つ、有機野菜って、家畜の糞とか、天然物由来の肥料なら使ってOKなのだけど…その家畜がどんなエサを食べてるか、までは規定してないのよね。抗生物質たっぷりのエサを食べた家畜の糞でもOK、ということです。

玄米と蓄積性

体の中に蓄積されやすい物質って、油に溜まるんですよね。それは、

  1. 水に溶けやすいものは、水とともに体外に排出されやすい
  2. 油に溶けやすいものは、普通は水に溶けにくい
  3. つまり、油に溶けやすいものは、排出されにくい=蓄積されやすい

という理由からです。
米の中で、脂分が多く含まれているところは、糠と胚芽です。ということはつまり、糠が多く含まれた玄米を食べる方が、蓄積性のある物質を摂取するリスクが高い、ということになります。

安全?危険?

「天然物だから安全、合成された化学物質だから危険」ってのは幻想。ふぐ毒しかり、曼珠沙華の根しかり、天然物にこそ強い毒がたーくさんあります。
食品添加物にしてもそう。「添加物の入ってるものは危ないから食わん!」とか言い出したら、豆腐も食えないぜ?(←にがりも添加物ですよん。)
予防原則と気持ち悪さをごっちゃにしちゃいけませんって。

結論

なんか事実とコメントの羅列をしただけでgdgdだけど…結局、自己満足の世界(=人に押しつけるな)ってことじゃね?
無理に素食だのマクロビオティックだのを目指さなくても、俺にとっては旨いもんを「うまうまー♪」と食ってる方が精神衛生上良いし、なにより健康的だって♪